
Claude だけで動画は作れるのか。Opus 5.5 に一言で頼んでみた
はじめに:Claude だけで、動画は作れるのか
Claude の新しいモデル、Opus 5.5 がすごいらしい。
そんな噂を聞いて、文章が書けるのは分かったけれど、動画はどうなのだろう、と思った方もいるのではないでしょうか。Claude をまだ触ったことがない方、動画を作ったことがない方に向けて、この記録を書きます。
私は当館『空想書院』の管理人です。当館は、存在しない現象を大真面目に論証する架空の論文を AI に書かせ、書架に並べている図書館です。私には動画編集の心得がありませんし、動画作りには一度挫折しています。その私が、Opus 5.5 に当館の紹介動画を丸投げしてみました。
結果、動画、作れました。
依頼文を一枚渡すと、約35分後に60秒の縦動画が届きました。構成も、画面の撮影も、文字の動きも、BGM と効果音も、全部 Claude が作っています。BGM は既製の曲ではなく、プログラムで波形を計算して作った自作の曲です。感想を返して四回作り直してもらい、Claude が手を動かした時間は合計で約95分。私がしたのは、最初の依頼と感想、それに最後に一つ、誰に届けたいかを言葉にしたことだけです。
ただ、「一発で凄いのが出ました」という自慢話にするつもりはありません。うまくいかなかった所も、私が頼み方で失敗した所もあります。これから試す方には、そちらの方が役に立つと思います。
なお、当館ではこの Claude を役割名で「執事」と呼んでいて、何でも頼める万能執事という意味合いで、私はときどき「セバス」とも呼んでいます。本文では Claude と書きます。
第一章 用意したのは、依頼文が一枚
少しだけ、Claude Code の説明をします。普段のチャットの Claude は答えを文章で返してくれますが、Claude Code はパソコンの中のファイルを読み書きし、プログラムを動かし、作業を最後まで進めてくれます。Claude のデスクトップアプリなどから使えます[4]。「動画を作って」と頼めば、動画ファイルそのものを作って保存してくれる、ということです。
ただし、Claude Code 以外を一切使っていない、というわけではありません。生成 AI は Claude Code だけで、私が指示を出したのも Claude Code だけですが、ソフトや環境の準備には前史があります。夏に当館で動画の実験をしたとき、HyperFrames という、ウェブページの書き方で動画を組み立てる公開の道具[5]と、その使い方の手順書(スキル)を入れてありました。これも当時、当館の AI に頼んで入れてもらったものです。今回 Claude は、作業を始めてすぐにこの道具を最新版に更新し、作業場も自分で作りました。
渡した依頼文の中心は、次のとおりです(保存先の場所だけ伏せています)。
https://fablelibrary.net/ のサイトをくまなく見て、このサイトの紹介動画を1分程度で作ってください。
縦動画(9:16)を主にしてください。
保存先は(フォルダの場所)です。
ツールが何か追加で欲しかったら言ってください。守ってほしいことは二つだけです。
- BGMや効果音は、既製曲やフリー素材サイトの音源を使わず、自分で作ってください(コードで波形を合成して構いません。映像に合わせて鳴らしてください)。
- 実在の人物の似顔や、他者のロゴ・商標は使わないでください。
あとは、使ってよい素材として私のアイコン画像(ChatGPT に描いてもらったもの)を添え、作業の記録を残すこと、ファイルを消さないことを書き足しただけです。構成も雰囲気も、見せたい論文も指定していません。
先に決めたのは、権利のことだけでした。フリー素材の曲は便利ですが、規約を読み違えれば後で困るのはこちらです。人の顔やロゴも同じで、うっかりの余地を最初から消しておきたかったのです。
逆に、他の方が AI で作った紹介動画の作例は、あえて見せませんでした。見本なしで、Claude がこの図書館の何を面白いと判断し、どう見せるのかを知りたかったからです。
ゴールの設定は、これでいい
Claude や ChatGPT に、ひとまとまりの仕事を任せて自分で動いてもらう。いわゆる「エージェントを動かす」ときの肝は、ゴールの設定だとよく言われます。Claude Code には /goal というコマンドまであります。公式の説明によれば、終わりの条件を宣言しておくと、一区切りごとに別の小さなモデルが条件を満たしたかどうかを判定し、満たすまで Claude が作業を続けるのだそうです[1]。
白状すると、私はその /goal を使ったことがありません。
後になって、公式の説明と、解説記事を二つ読んでみました[1][2][3]。どれも、ゴールの条件に入れるとよいものとして、同じ三つを挙げています。終わった状態をはっきり書くこと。それをどう確かめるかを書くこと。途中でしてはいけないことを書くこと。
見比べてみると、私の依頼文は、三つのうち二つをちょうど満たしていました。「1分程度」「縦」「ここに保存」が、終わった状態。音、顔とロゴ、それに依頼文の後ろの方に書いた「ファイルを消さない」が、してはいけないこと。確かめ方は書いていませんでした。ただ、作業の記録を残してほしいと頼んでいたので、Claude は仕上がった動画の長さ(60.000秒)や画面の大きさ、音量を自分で測り、その数値を記録に書いてきました。結果として、それが確かめ方の代わりになっていました。
ゴールの設定といっても、身構えるほどのものではありませんでした。何が出来上がれば終わりか。何をしてはいけないか。この二つを普通の日本語で書けば、それがゴールです。
ただ、このときの私は、ゴールをまだ半分しか書けていませんでした。そのことに気づくのは、ずっと後の第五章です。
第二章 35分で、ここまでやる
約35分後に動画が届くまで、Claude から私への質問は一度もありませんでした。後で作業記録を読むと、Claude は自分でサイトを巡回して全ページを撮影し、動画の設計図を書き、本体を組み、音を作って書き出していました。
届いた動画は、こういう流れです。
- 冒頭:縦書きの二列で「裏切りではない、」「タイムアウトである。」(当館の関ヶ原の論考の副題)
- 正体:「存在しない現象を、異常な解像度で、大真面目に論証する。」
- 書架:論文の表紙と章題を五冊ぶん
- 本気の証拠:論文に載っている実測データのグラフ、数式、奥付
- 使い勝手:縦書きで読める紙面、目次、栞
- 締め:「入口は、空想。出口は、本物の知識。」とサイトの URL、収蔵論文がフィクションであるという注記
サイトの中から拾った言葉で、サイトの芯を立てています。題名に他社の商標が入っている論文は、指示しなくても映していませんでした。私のアイコンは胸から上だけです。和鐘の音は、当館の論文に載っている実在の鐘の測定値(一番低い音が 129Hz)から作り、BGM 全体をその鐘の高さに合わせて調律していました。
途中、つまずきは九回ありました。サイトに門前払いされる、道具に付いてきた書体が日本語の入っていない版だった、書き出しの仕組みが音を勝手に小さくする。どれも Claude が自分で気づき、自分で回り道を見つけています。私は一つも関わっていません。
音と動きが、ぴったり合う
噂によれば、Opus 5.5 の得意技の一つは、効果音や画面の動きを映像の展開や BGM にぴったり合わせることだそうです。実際、届いた動画にはそういう場面がいくつもありました。
冒頭、鐘が鳴り、拍子木が「カン」と打たれた瞬間に、朱色の文字の列が画面に押し込まれてくる。判子を押す音と同時に、画面に落款が押される。論文の表紙が替わるたびに、紙をめくる音がする。どれも音と動きが同じ瞬間に来るので、見ていて気持ちがいいのです。
作業記録を読むと、仕組みはこうでした。Claude は最初にテンポを決めていました。1分間に100拍、一小節がちょうど2.4秒です。60秒の動画を25小節に割り、場面の切り替えを全部、小節の頭に置く。そのうえで、効果音を鳴らす時刻を秒単位の数字で決め、BGM と一緒にプログラムで計算して作る。最後に、音の波形と場面の切り替え時刻を一枚の図に重ねて描き、打点がずれていないかを確かめていました。音楽と映像が、最初から同じ物差しで作られているわけです。
動画作りで一番面倒なのは、たぶんここだと思います。編集ソフトなら、音を聴きながら映像の切れ目を一コマずつずらして合わせていく作業になるはずです。少なくとも今年のはじめ頃は、そういう手作業が当たり前だったはずです。それを、頼んでもいないのに、最初の一本からやっていました。
AI には、耳がない
ただ、Claude にもできないことがありました。作業記録の自己評価には、こういう趣旨の一文がありました。
「私は耳で聴けません。確かめたのは波形とタイミングと音量の数値だけです。」
そして、再生した私の第一印象はこうでした。ちょっと、ホラー風仕立て。
和風で、謎めいた、空想的な雰囲気を狙ったのでしょう。それが、幽霊でも出てきそうな方向に着地していました。うちの書院、ホラーだったのか、と笑ってしまいました。宣伝動画として怪談はどうなのか、という疑問も湧きました。それでいて、怪談めいた冒頭から「縦書きで読めます」「栞も挟めます」と使い勝手の紹介にすっと移る取り合わせが独特で、私は妙に気に入ってしまいました。
怖さの出どころは音でした。半音を含む日本の古い音階と、和鐘と、拍子木。三つ揃うと、日本人の耳には怪談の合図に聞こえます。タイミングは完璧に合わせられても、聴いた感じまでは確かめられない。最後に聴いて確かめるのは、人間の耳です。
最初の一本(Take 1)。音を出して聴ける所でどうぞ。
第三章 直し方は、感想でいい
音だけを作り直してもらうことにしました。伝えたのは、聴いたままの感想三つです。
- 全体が、ちょっとホラー風に聞こえる。静けさは残したまま、怪談っぽさは避けてほしい。
- 和ものの弦楽器風の音が、ゴムをはじいたような音に聞こえる。
- 音の強弱が一定に聞こえる。アコギを弾く感覚だと、3拍目の一番高い音は強めに弾くと思う。
技術用語は使っていません。使えなかった、が正確です。
約10分後に届いた記録には、三つの感想それぞれの原因が、一本目の自分のプログラムの数値まで遡って書いてありました。「ゴム」の正体は、はじいた瞬間の音の高さを少し上(約30セント、半音の三割ほど)から落とす作りにしていたこと。「強弱が一定」は、音の強さが二段階しかなく、その差がわずか 2.3dB だったこと。怪談っぽさは、半音を含む音階と暗く長い残響。三つとも直っていて、映像は一コマも変わっていませんでした。
「ゴムっぽい」で通じる。はじめての方にとって、これは朗報だと思います。もっとも、専門用語が話せれば、もっと早く正確に伝わったはずだとも思っています。感想で足りる。けれど、言葉を持っていれば、もっと遠くまで届きます。
直ったのに、普通になった
直った音は、なかなか、いい感じでした。三つとも直っています。
でも、普通でした。
悪い所がない代わりに、引っかかる所もない。宣伝に使うなら、意外性のある一本目の方が面白い。私は怪談の方を選びました。
なぜ普通になったのか。私が伝えたのは、ダメ出しだけだったのです。一本目の妙な取り合わせを気に入っていたのに、それを言葉にしていなかった。Claude から見れば、怪談っぽさは「避けてほしいもの」でしかないのですから、真面目に取り除くのは当然です。直し方が正しかったからこそ、良い所まで一緒に消えました。人を育てるときと同じで、良かった所も併せて伝えなければ、相手は何を残せばいいのか分かりません。
ダメ出しは、直す場所を教えます。褒め言葉は、残す場所を教えます。
第四章 紙を一枚足すと、見せ方が変わる
次に、依頼文に制約書を一枚添えて作り直してもらいました。中身の芯は、それまでに私が言った感想です(清書は当館の進行役の AI に任せました)。
一つは「緩急と区切り」。一本目は、全体が同じ明るさで、文字と画像がすり替わっていくだけに見えたからです。もう一つは「意外性の見せ方」。論文のどこが面白いのかを見せてほしい、という注文で、例としてボストン茶会事件を挙げました。茶箱を海に投げただけで、大事件になるのか。きっと砲弾化して、気を引いたに違いない。一行目が史実、二行目が当館の空想の答えです。
約21分後に届いた二本目では、暗転と拍子木、画面全体が朱に変わる瞬間と判子の音、無音からの立ち上がり、紙が一枚めくれる転換と、区切りが四つはっきり入っていました。ここでも、転換の瞬間と音の打点はすべて揃えられています。紺色の暗い地に縦書きで史実が出て、少し間があって、朱の空想が判子を押すように入る。その直後に「ふざけているのは、問いだけ。」の一行が出て、論文の実測グラフに移ります。
唸ったのは、音です。土台は直した楽器なのに、空想の行が入る瞬間にだけ、一本目の妖しい響きが戻っていました。「直ったけれど普通、一本目の方が面白い」という私の判定を受けて、怖さを全体には広げず、「ここで話が飛びます」という合図の役だけを与えて戻したのだそうです。
怪談は、捨てられずに、合図になりました。
同じ型が続く、冒頭にもう少し時間を、という感想を伝えた最後の直し(約8分)では、三冊目の祇園精舎の論考だけが型を崩していました。「誰もが暗唱できる鐘の声を、誰も聞いたことがない。」の行の間だけ鐘が鳴り、行と一緒に消える。一瞬の完全な無音のあとで、朱の文字が一字ずつ書かれていきます。「本物の祇園精舎には、鐘がなかった。」
見せ方は、確かに良くなりました。区切りは体で分かり、空想の一行には音の合図まで付いた。けれど、それはゴールではありませんでした。そのことに気づくのは、もう少し後です。
ここでいったん、完成版としました。
いったんの完成版(Take 2b)。
第五章 ゴールは、誰に届けば終わりか
2b をいったんの完成版にしてから、宣伝に使う一本を、見てほしい人に向けて作りたくなりました。ところが、その「見てほしい人」が、私の中ではふわっとしていたのです。こういうのが好きな人に見てほしい、とは思っている。では、こういうのとは、どういうのか。そう聞かれると、答えられません。
そこで、いきなり作らせるのはやめました。先に、見てほしい人を言葉にする。それから、その人に届く動画を頼む。二段に分けることにしました。
まず、見てほしい人を言葉にする
一段目は、分析だけです。このサイトはどういう人に向いていると考えられるか。「まだ動画は作らないでください」と書いて、それだけを Claude に出してもらいました。材料は、当館の宣伝の記録と、よく読まれている記事です。
何度か Claude と会話をするうちに、「本と物語が好きな、ミドル程度の大人」というフレーズが出てきました。
その言葉を見て、これだ、と思いました。私の中の「こういうのが好きな人」が、ようやく言葉になったのです。私はそれで確定しました。
私の言葉で、語り直す
二段目で、ようやく作ってもらいます。頼んだのは、言葉にしたこの人たちに刺さる動画にしてほしい、ということです。ほかに私が決めたのは二つだけでした。私の素の声を画面の文字にすること。私の食事の話は入れないこと。制作は約20分でした。
届いた三本目(Take 3)は、語り口から変わっていました。
語り手が、図書館の司書から、館長である私の一人称に替わっています。画面に出る文字は、ほとんど全部、私自身がこれまで SNS に書いてきた言葉です。「漫画や小説が好きです。」「図書館の奥の、薄暗い棚が、子どもの頃から好きでした。」「私は、期待以上になるまで茶々を入れて、直してもらっています。」Claude が自分で書いた文は、場面をつなぐ3か所だけ。どの行がどの投稿から来たのかは、一行ずつ記録に残っていました。
冒頭は、本好きの日常から入ります。収蔵8冊の実際の背表紙を並べた棚が映り、最後は「ああいう棚が好きな誰かに、いつか、見つけてもらえたら。」で、その棚に戻ってきます。空想論文の見本は、日常の一場面から入る一冊(関ヶ原の論考)だけに絞られました。縦書き、目次、書体、栞といった読書の場面は、全部戻っています。サイトの URL は、動画の下の端にずっと出ています。動画だけが流れてきても入口が分かるように、動画そのものに入口を持たせた、とのことでした。
外れたものもあります。「存在しない現象を、異常な解像度で、大真面目に論証する。」「ふざけているのは、問いだけ。」「入口は、空想。出口は、本物の知識。」という司書の決め台詞。実測グラフと数式。どれも一本目から続いてきた、当館らしい言葉と画です。
見終わって、まず思ったのは、言葉が分かりやすくなった、ということでした。司書の宣言は格好いいけれど、初めて見る人には少し硬い。「漫画や小説が好きです。」なら、誰にでも届きます。なかなか、いい感じでした。うちの宣伝動画ができた、と思いました。宣伝には、この版を使うことにしました。
四つ目の条件
振り返ると、二本目に渡した制約書は、ゴールではありませんでした。緩急と区切り、意外性の見せ方。書いてあったのは、どう見せるか、です。
宣伝動画のゴールは、狙った人に届くことです。届け先は、ゴールそのものなのです。ところが二本目まで、私はそれを書いていませんでした。書けなかった、と言う方が近いかもしれません。見てほしい人は頭の中にいても、言葉になっていなかったからです。
だから三本目では、まず届け先を言葉にして、それからゴールとして書きました。作らせる前に分析だけを頼んだのは、そのためです。
第一章で、ゴールの条件に入れるとよいものを三つ挙げました。終わった状態、確かめ方、してはいけないこと。公式の説明にはない、私の実感ですが、四つ目があります。誰に届けば終わりか。
ゴールを具体的に書いた途端、動画は語り口から変わりました。
届け先は、ゴールそのものです。ただし、言葉にしてからでないと、書けません。
三本目(Take 3)。宣伝に使う版です。
第六章 はじめての方へ
Claude が手を動かした時間は、音だけの直しや小さな直しも含めて五つの版で、合わせて約95分。私がしたのは、依頼文と二つの約束、感想、そして誰に届けたいかを言葉にしたことだけです。やってみて分かったことを、短くまとめておきます。
- 作業ではなく、ゴールを頼む。 何が出来上がれば終わりかを書けば、段取りも道具選びも、つまずきからの回り道も、任せて大丈夫でした。宣伝に使うものなら、誰に届けば終わりか、までがゴールです。三本目は、そこを書いただけで語り口から変わりました。
- 届け先がふわっとしていたら、まず言葉にする。 「こういうのが好きな人」のままでは、ゴールに書けません。作らせる前に、分析だけを頼むという手があります。
- 権利のことだけは、先に人間が決める。 音の出どころ、人の顔、他社のロゴ。ここさえ決めてあれば、残りは安心して任せられます。
- 最後の検品は、自分の目と耳で。 音と動きをぴったり合わせることはできても、聴いた感じは確かめられません。
- 感想は、好きな所も言う。 ダメ出しだけだと、良い所まで直ってしまいます。
- 専門用語はなくていい。 聞いたまま、見たままの言葉で通じます。
もっと感情に訴える、いわゆるエモい動画の方が刺さる人は多いと思います。ただ、それは参考になる動画やサイトを調べ、見せ方を研究してから取りかかる別の仕事です。二本目までは、見本なしのほぼ一言で、Claude が対象の良さを自分で判断して設計し、見せる。その実力テストでした。三本目は、そこに届け先というゴールを足したものです。一度挫折した私の足りないセンスを、Claude は有り余るセンスで補ってくれました。そのセンスの度合いを見られたことが、私には一番の収穫です。
おわりに:頼んで、愛でる
今年のはじめ頃、AI で動画を作るといえば、絵はこの道具、声はあの道具、最後に Remotion(プログラムで動画を組み立てる道具)[6]でまとめて、と工程が分かれていて、それぞれに指示を出さなければ何もできませんでした。今回渡したのは、作業の段取りではなく、イメージとゴールだけです。それで Claude は自分で動き、ひとまずの完成品を見せてくれました。同じ年のうちに、進め方そのものが変わったのだと感じています。
Claude だけで、動画は作れるのか。私の答えは、作れる、です。Claude が作り、人間は感想を言う。それで一本、出来上がります。誰に届けたいかまで言葉にして頼めば、それは宣伝に使える一本になります。
欲しいものを頼んで、届いたものを愛でる。経験は、そこから始まります。
当館の紹介動画は、この記事の中でご覧いただけます。音の出せる所でしたら、ぜひ音を出して。音と動きの合う瞬間を、探してみてください。どうぞ、ごゆるりと。
参考資料
- Anthropic「Claude をゴールに向かって動作させ続ける」Claude Code ドキュメント(日本語版) https://code.claude.com/docs/ja/goal
- 諏訪真一「技術調査 - Claude Code /goal コマンド」Zenn、2026年5月15日 https://zenn.dev/suwash/articles/claude-code-goal-command_20260514
- クリスタルメソッド株式会社「Claude Code /goal で自動・目標設定・自走を実現する使い方完全ガイド」2026年8月更新 https://crystal-method.com/blog/claude-code-goal/
- Anthropic「Desktop application」Claude Code ドキュメント(日本語版) https://code.claude.com/docs/ja/desktop
- HeyGen「hyperframes」GitHub リポジトリ(Apache 2.0 ライセンスで公開) https://github.com/heygen-com/hyperframes
- Remotion 公式サイト https://www.remotion.dev/
(Web資料はいずれも2026年9月27日閲覧)